Books: My Recommendations

個人的にかなり良かった推薦本をまとめています。下記の指標に沿っています。

  • S: 人生史に残るレベル(個人の主観)
  • A: 感動
  • B: めっちゃおもろい
  • C: 読む価値あり(かなり誉め言葉)

いくつかラベルも付けてみました。

  • 絶対に面白い
    • 面白い本に出会いたい人にお薦め。読書にまだハマってない人にも、自信をもってお勧めできる。
  • 教養として読んで欲しい
    • 面白さとしてではなく、教養として読んで欲しい一冊。人生を豊かにしてくれる。
  • 行き詰まりの打開策
    • 人生で何か行き詰った時に、打開してくれるかも知れない。
  • なるほど分からん
    • 「ちょっと何言ってるかよく分かんない。でも、大事なことが書いてると確信できる」。そんな感じの本。実は、この感覚を与えてくれる本って、凄く貴重。自分の知ってる知識を総動員して、ギリギリ分かるか分からないかの所を攻められてる感じ。理解しようとする営みの中で、間違いなく思考力が成長する。数年後に読み直して、やっと言わんとすることが理解できたりする。こういう本に出会えることが、人生の幸せ。読書が好きな人には、是非と勧めたい。

◎学生さん・若い方へのお願い◎

  • 「めちゃ刺さった」or「詰まらなかった」みたいな本があれば、フィードバックして頂けるととても助かります
  • 大学の教員として、学生さんに「知ることの喜び」を何とか伝える事が使命だと考えています。
  • そのためには、本を読んで感動する事が一番近道だと思っています。
  • ということで、学生さんに伝える時に、「黙ってこれ読んどけ」的な本を厳選していきたいと思っています。
  • 誰かが学ぶ喜びを知り、active learningするようになれば、世界は少しだけ変わっていくと思っています。
  • そのためのフィードバックです。よろしくお願いいたします。m(_ _)m
  • フィードバックは、「kotsuki.water あっとまーく gmail.com」 まで。

 


自然科学・数学

  • 暗号解読(サイモン・シン) [総合A; 面白さA, 読易さA, 知の感動A, 心の感動C) 絶対に面白い
    • 天才、サイモン・シンによる「暗号」への一冊。ユリウス・カエサルの時代から今に至る、暗号開発と解読の絶え間ない競演を描く。旧ナチスのエニグマの解読プロセスは、まさに感動。また、現代でも用いられているRSA暗号についても理解できる。理系学生になら、文句なしにお薦めできる1冊。
  • 脳はなぜ「心」を作ったのか (前野隆司) [総合A; 面白さA, 読易さA, 知の感動A, 心の感動C] 絶対に面白い
    • 人工知能の研究者が考えた、「こころ」についての考察。機械論的な脳のモデル化など、人によってはそれなりにショッキングかもしれない。もしかしたら、人間はただの反応機械で、私たちには自由意志などないのかもしれない。しかし、小人モデルによる脳機能の説明は、相当に自分の脳への理解を助ける。理系学生になら、文句なしにお薦めできる1冊。[読書録]
  • ビッグバン宇宙論 (サイモン・シン) [総合A; 面白さA, 読易さA, 知の感動A, 心の感動C] 絶対に面白い
    • 2015年のBook of The Year。天才、サイモン・シンのおススメシリーズ。こちらも、面白いと思わない理系学生がいたら見てみたいレベル。人間が、宇宙についてどのように理解してきたか、歴史の流れの中で見ていく感じ。つまり、人の宇宙への理解を、この1冊で振り返ることが出来る。サイモン・シンの他作品は、「フェルマーの最終定理」も素晴らしい。ちなみに、「代替医療診断」は僕はあまり面白いと思えなかった。
  • 動的平衡(福岡伸一)[総合A; 面白さA, 読易さA, 知の感動A, 心の感動C] 絶対に面白い
    • 2012年のBook of The Year。メインテーマは、「合成と分解との動的な平衡状態の効果こそが生命」。すべての細胞は、崩壊と再構築を繰り返す。個体は、感覚としては外界と隔てられた実体として存在するように見えるが、分子の流れのみに着目すると、たまたまそこだけが密度が高い淀みにすぎないのだ。生命とは,その動的平衡状態の効果にすぎない。生命観を変えさせてくれるかも知れない一冊。福岡さんの本では、「生物と無生物の間」も面白い。[読書録]
  • 大気を変える錬金術 [総合A; 面白さA, 読易さA, 知の感動A, 心の感動B] 絶対に面白い
    • 高校化学で習う、ハーバー・ボッシュ法(N2+3H2 ==> 2NH3)の裏側にある世界を描く。ユダヤ系ドイツ人のハーバーが、第一次世界大戦の中、祖国への愛国心から毒ガス生成の鍵となるハーバー・ボッシュ法の反応経路を生み出す。しかし、歴史の皮肉か、それほどまでに国を愛したハーバーは、第二次世界大戦に向かうナチスドイツに裏切られる。また、この反応経路は肥料生成の鍵としても重要であり、第二次世界大戦後の緑の革命・世界の人口爆発は、このハーバー・ボッシュ法なしにはあり得なかった。1つの化学反応の裏側には、こんなにも歴史と物語と悲哀が詰まっているのだと感動する。タイトルが既に絶品。[読書録]
  • 無限論の教室 (野矢茂樹) [総合B; 面白さA, 読易さC, 知の感動A, 心の感動C] なるほど分からん
    • 硬い(=読むのがタフ)。が、読み応えのある一冊。平易な文章で難しい数式を使うことなく、論理的に無限論の世界を描く。対角線論法など、面白い概念を踏まえつつ、最終的にゲーデルの不完全性定理まで証明する。読み終わった後、なんとなく分かった気になって、人に説明しようとして、よく分かっていないことに気が付く。多分、僕はあと2回くらい読まないと理解できない。親友のおススメの一冊でもあります。
  • 地球最後の日のための種子(スーザン・ドウォーキン)[総合B; 面白さB, 読易さA, 知の感動B, 心の感動C]
    • 大学生の僕にはとにかく面白かった。作物の遺伝子に関する物語。作物の疫病が蔓延すると、作物の遺伝子データベースから、その疫病に抵抗性のある遺伝子を探し、新しい作物が作られる。そうして、今でも疫病と品種改良の格闘が続いているのだ。しかし、その遺伝子データベースは、これまでに見つかった品種を収集して出来上がったもので、無限には存在しない。いつか、新しい疫病に、人類は対応できない日がやってくる。その地球最後の日まで、作物の品種改良を続ける、その人類の物語。
  • 人工知能は人間を超えるか(松尾豊)[総合C; 面白さB, 読易さB, 知の感動B, 心の感動C]
    • 人工知能についてよく分かっていない時に、一冊これを読むと、概ねどういうことが為されているか理解できる。松尾さん、解説上手い。[講演メモ]

社会科学・心理学

  • 予想どおりに不合理(ダン・アリエリー)[総合B; 面白さB, 読易さB, 知の感動A, 心の感動C]
    • この本を読んで行動経済学にはまった。自分の行動が、どれくらい認知バイアスに左右されているのか、ということを知ることが出来る。例えば、資本主義の元では、商品を買う時に、選択肢は多ければ多いほどいい。しかし、実際に多数の保険商品を並べられると、人は「もっと適切な商品があったのでは?」と不安になる。つまり、人間は機械ではないので、合理的な最適解と、心理的な最適解が異なる。行動経済学は、心理的な最適解=幸福を最大化するために世の中をデザインしましょうという学問。合理主義を走ってきた20世紀への反動か。行動経済学に興味を持ったたら、選択の科学(シーナ・アイエンガー)や、「行動経済学~経済は「感情」で動いている~(友野典男)」も面白い。行動経済学、という考え方を知るだけでも為になる。TEDにプレゼンもあります。行動経済学を知るなら、最初は友野さんの「行動経済学」が良いかも知れない。[読書録]
  • ヒトラーとケインズ(武田知弘) [総合B; 面白さB, 読易さB, 知の感動B, 心の感動C]
    • ケインズ経済の観点からヒトラーを照らした一冊。ケインズ経済は、アメリカのニューディール政策にも用いられたような経済理論。不景気には、政府が公共投資して雇用を生み、消費を増やし、好景気に導いていこうって感じ。安倍政権でも結構言われていた。実は、ヒトラーの経済政策(アウトバーンの建設など)はケインズ経済に則っていて、実際にドイツ経済を相当に好景気化させている。ケインズ経済の観点でヒトラーの政治を見ると、評価できるところもあるのでは、という話。目から鱗の視点。[読書録]
  • 虚構時代の果て(大澤真幸)[総合B; 面白さB, 読易さC, 知の感動A, 心の感動C] なるほど分からん
    • 社会学の考え方に触れるのに、お薦めの一冊。オウム真理教が何故、終末思想に走ったのか。そこには、阪神大震災と深いつながりがあり、その繋がりを「証明」する。社会科学者の議論は、自然科学と違う展開が刺激的で、いつの日か自分の研究でも生きる気がする。この本からは、”あらゆる社会現象は必然的に起こってる”って筋を感じるが、これは自然科学的には容易に納得しえない。結構固いので、それなりの覚悟はいる。でも面白い。[読書録]
  • マインドコントロール(岡田尊司)[総合A; 面白さA, 読易さB, 知の感動A, 心の感動C] 教養として読んで欲しい
    • とにかく面白い。見たくて済むものなら、見たくない、マインドコントロール。そのプロセスを包括的にまとめられている良書。自分自身が知る、過去のマインドコントロール事件も、本書で指摘されているいくつかのパターンに十分に当てはまる。それだけ、本書が現時点の人類の理解を良くまとめているという事。読むと、自分にもサイコパス性さえあれば、他人をマインドコントロールできてしまうんじゃないかっていう、怖さも感じる本。どちらかというと、自分自身がマインドコントロールされないために、自衛として読む価値が高いと思う。悲しい事に、世の中には、深い悪意が存在します。[読書録]
  • 夜と霧(V.E.フランクル)[総合B; 面白さB, 読易さB, 知の感動B, 心の感動B]
    • TBU
  • 忘れられた日本人(宮本常一)[総合C; 面白さB, 読易さB, 知の感動B, 心の感動C] 
    • 誰かに、「めちゃくちゃ面白いから読んでみて!」という類の本ではない。ただ、「民俗学ってこんな研究なんや!」、と心に残った。昭和初期の日本の農村を回った著者が、その土地にまつわる伝承や文化を見聞きし、それを伝え残す。ありのままの人々の暮らし・考え方を浮き上がらせるのが民俗学者の手腕。「文字に縁の薄い人たちは、時間の観念に乏しかった」「子犬や亀・カニなどと、動物と人間が親しみ合い共に生きていた」「進歩とは何か。進歩に対する迷信が、退歩を進歩と誤認させる」など、印象に残る言葉も多々ある。今の自分の価値観・世界観・時間感覚が、後天的に社会によって刻まれたものである事が鮮明に理解できる本。当たり前ですが、価値観は時代依存です(これを指摘したのが構造主義)。例えば、戦争が良くないなんて価値観、たかだかこの100年以内のコモンセンスなんです。自分のコモンセンスを疑う習慣をつけましょう。

哲学・思想・倫理

  • 暇と退屈の倫理学 (國分功一郎) [総合S; 面白さA, 読易さB, 知の感動A, 心の感動A] なるほど分からん
    • 2016年のBook of The Year。「暇」と「退屈」について、著者の膨大な哲学・思想学的知識をもとに紐解いていく。冒頭で問われる、「ISISの様な熱狂的な原理主義者・狂信者を、恐れつつ、どこか羨んでいる自分はいないだろうか?」という問いかけには、思わずドキリとさせられる。人は、暇がなくても、退屈するのだ。何度も読み直したい一冊。また、内容もさることながら、イントロがとにかく素晴らしい。僕はここで、「考えを世に問う」という価値観を学んだ。國分さんのファンになったら、「哲学の先生の人生の話をしよう」も傑作です。哲学者が人生相談に乗ると、こんな人生相談になるんやっていう感動があります。様々な価値観・考え方をストックして、それを適宜出し入れできる哲学者は凄いって思わされます。[読書録]
  • 寝ながら学べる構造主義(内田樹)[総合A; 面白さA, 読易さB, 知の感動A, 心の感動B] なるほど分からん
    • 2013年のBook of The Year。20世紀に大流行した思想「構造主義」について、内田さんが解説してくれる。一つ一つのセンテンスは凄くわかりやすく、内容も面白い。しかし、全体を通して何を言おうとしてるのか、よく分からない。5回読んでやっとわかった気がした本。構造主義は、私たちの思考が、時代や社会において無意識に縛られている事を暴く。自分の思考が、どれくらい自由に決められているのか、よく分からなくなってくる。この本を読んでから、僕は思想の書籍に踏み込み始めた。構造主義という考えを知ることで、当たり前の因果関係を疑うことが出来る。
  • 何故あなたは、愛してくれない人を好きになるのか(二村ヒトシ)[総合S; 面白さA, 読易さA, 知の感動A, 心の感動A] 絶対に面白い
    • 2019年のBook of The Year。國分功一朗さん激薦の、成人男性向け動画の監督による女性向け書籍です(性的な描写ありません)。職業柄、多くの女性を見てきた人間観察の結晶。感動ポイントは2つあって、1つは単純に内容が傑作です。もう1点は、「自らの経験に基づいく女性心理の一般法則化」です。基本的に人は「経験に基づく法則化」と「合理的推論」で自分の価値観を形成して行くのだと思いますが、その「経験」の力をまざまざと見せつけられた。曰く、「自分への恋はナルシズム。自分への愛は自己受容 (self respect)。恋は、自己受容ができないことによる”こころの穴”を相手によって埋めようとする」など、恋と愛について、”こころの穴”という比喩を通して読み解いていく。とにかく凄い。[読書録]
  • 科学的思考のレッスン(戸田山和久)[総合B; 面白さB, 読易さB, 知の感動B, 心の感動C] 教養として読んで欲しい
    • 大学生に、教養として是非読んで欲しい。「科学的思考はどの様な思考方法か」「なぜ市民が科学的思考方法を身につけねばならないか」を論じた本。例えば、相関関係の因果関係の違いなど、当たり前だけど陥りやすい罠を解説してくれる。科学哲学の超入門書としての役割も果たす。また、研究者を志す若い人にも、最低限の知識として知っておきたいことが並ぶ。研究者にとって、不必要な実験をしないために、論理学は相当大事です。誰もが自分は論理的だと思っているが、論理的に考えれれていない人がいる事を、僕は人生で学んだ。[読書録]
  • 中道態の世界 (國分功一郎) [総合A; 面白さA, 読易さC, 知の感動A, 心の感動C] なるほど分からん
    • 固い。現在当たり前になっている「能動・受動」の対立軸であるが、これは自明ではない。古代ギリシャでは,「能動」に対立する概念は「中動」であった。しかし哲学の興りにより、責任の概念と共に、意志という概念が創出された。本来、自由意志など無い筈であるが、哲学と共に、「意志」は「行為」に事後的に憑りついたのだ。「能動・受動」の対立構造が当たり前だと思っていた自分の頭がガツンと殴られた感覚。國分功一朗はとにかく凄い。「暇と退屈の倫理学」を先に読むことをお勧めします。それで、國分さんの世界観・文章が気に入ったら、是非読んで欲しい。中動態という概念を知るだけでも、世界が広がる。「知る know」「立つ stand」「理解する understand」「恋に落ちる fall in love」など、能動態で表現されているが、「私は能動的にしていない!」という動詞は、気づけば世界に溢れている。[読書録]
  • 14歳からの哲学 (池田晶子)
    • TBD

自己啓発

  • 7つの習慣(スティーブン・コビー) [総合S; 面白さB, 読易さB, 知の感動B, 心の感動C] 教養として読んで欲しい
    • 2018年のBook of The Year。人生を生きる中で、「やった方が善い事」は無限に存在する。人生を左右するのは、「時間はかかるが、やるべき重要な事」に時間を投資できるか否か。”善は、最善の敵”なんです、本当に。重要な事は、都度判断出来ない。都度判断は、ブレる。そうではなく、「自分の憲法」を持ち、憲法に照らし判断する習慣を持つ。自己啓発本は世の中に数多あって、僕もそれなりに読みましたが、多くの事はこの本に詰まっていると思う。5年に一度は読み直し続けたい一冊。おそらく、人生のステージごとに、刺さる箇所が変わってくる。[読書録]
  • 仕事は楽しいかね (デイル・ドーテン) [総合S; 面白さB, 読易さA, 知の感動B, 心の感動B] 行き詰まりの打開策
    • 2018年のBook of The Yearを同時受賞。人は計画を立てて、それを遂行することに依存しすぎている。その思考は、「目標を立てて努力すれば成果が上がる」といった形の学生モードの思考。その思考に依存していると、いずれ失敗を恐れて行き詰まり感を感じる(実体験)。成功とは、1つだけアタリのある20面ダイスを振る様なもので、振り方をどれだけ工夫しても、アタリが出る確率はそんなに変わらない。そうでは無く、ダイスを多く振った人間が勝ってるのだという話。つまり、成功は、成功率ではなく、単純なアタリの数で決まるのだ。この本を読んでから、「上手くいかない事」を前提にした研究を出来るようになった。そういう研究は、本当にワクワクする。自分の研究者人生を変えてくれた一冊。[読書録]
  • 嫌われる勇気 (岸見一郎) [総合S; 面白さA, 読易さA, 知の感動B, 心の感動A] 行き詰まりの打開策
    • 2014年のBook of The Year。みんながみんなそうでは無いと思うが、なんとなく周りの評価や顔色が気になる自分には、とても刺さった。「嫌われることは、自分が自分らしく振舞うことのコストである」という考え方を知ってから、相当に人生が楽になった。気が乗らない集まりを断れるようになった。また、アドラー心理学の入門書としても良い。人を選ぶ本ではあると思うが、少なくとも僕の人生を間違いなく変えた一冊。この本によって救われる日本人は、結構多いんじゃないかと思う。[読書録]
  • 武器としての決断思考(瀧本哲史)[総合B; 面白さB, 読易さA, 知の感動B, 心の感動C] 教養として読んで欲しい
    • 議論とは何か、意思決定とはどうすべきかを考える本。実際にディベートを行うという想定の下で、議論を行う上での注意点を述べた本。そういった議論を通じて、最終的に自分の頭の中で議論を行い、今後の意思決定に活かしていって欲しい、というのが作者の理想。大学生~社会人に読んでみて欲しい。この世の中は、稚拙な議論であふれている。自分自身が、稚拙にならないために、教養を磨かないといけない。[読書録]
  • こころの処方箋 (河合速雄) [総合A; 面白さB, 読易さA, 知の感動C, 心の感動B] 行き詰まりの打開策
    • 河合速雄の不朽の名作。日常生活で触れる様々な問題を、心理学の観点から読み解いていく。「言い始めたのなら話合いを続けよう」「イライラは見通しの無さ」「100点以外ダメな時がある」「真面目も休み休み言え」「強いものだけが感謝することが出来る」「権力を捨てることで、内的権威が磨かれる」など、名言のオンパレード。各テーマごとに、心理学者かつカウンセラーでもある著者が触れ合ってきた患者との実体験も交えつつ、解説していく。なんとなくモヤモヤする、人生の問題を解決してくれるかもしれない。河合速雄の多作品は、「大人の友情」や「働き盛りの心理学」などもおススメ。一人の親友を失ったとき、河合速雄の言葉に救われた。曰く、「親友とは、代名詞ではなく、関係性である。彼は去っても、彼はまだ私の問に答えてくれる親友である。」[読書録]

科学者・研究者向け

  • 喜嶋先生の静かな世界(森博嗣) [総合S; 面白さA, 読易さA, 知の感動C, 心の感動A] 
    • うまく言えないけど、研究者として、心がかき乱される一冊。人は選ぶかもしれないけど、僕は本当に好き。ミステリー作家として名を馳せた森博嗣だが、若いころは研究者だった。大学院生から助手に至る作者自身の研究生活を描いたもので、ただただ不思議に魅了され、研究に没頭する若き姿を描く。「研究者が一番頭を使って考えるのは,自分に相応しい問題だ」。激痛。本当にその通りで、研究者の能力とは、問題を解く能力ではなく、問題を見つける能力なのだ。自分は今でも、純粋に不思議に魅了されているのかと、切なくなる一冊でもある。博士課程に行こうかと考える時には、是非読んでみて欲しい。
  • 科学哲学の冒険(戸田山和久)[総合B; 面白さB, 読易さC, 知の感動B, 心の感動C] 行き詰まりの打開策 & なるほど分からん
    • 研究者を志す人に、是非読んで欲しい。固いが読む価値は、間違いなくある。この本を読むことで、僕は「経験科学とは何か」を知った。自分がしている、経験科学のゲームを初めて理解できた。経験科学は帰納(経験)と演繹(論理)によって構成される。演繹は、情報量は増えていない、真理保存的な推論。帰納は情報量を増やすが、 真理保存されない推論。この二つの推論を組み合わせた、帰納演繹によって、経験科学は駆動してきたのだ。2016年にこの本を読んで、間違いなく自分の論文生産性が上がった。論より証拠。僕の論文リストを見れば分かります。[読書録]
  • 工学部ヒラノ教授(今野浩) [総合B; 面白さA, 読易さA, 知の感動C, 心の感動C]
    • めちゃくちゃ面白いのでさらっと読める。研究者あるあるなので、特にアカデミアに居る人が、頭を使わずに読みたい時にお薦め。複数の研究機関・大学を渡り歩いてきた著者が見てきた、面白おかしい研究者の生態・問題を、コミカルなノリで暴露していく。てか、この人めちゃくちゃ面白い。これだけ日本語上手いってことは、相当に研究者としても出来る人だった筈。[読書録]
  • 精神と物質 (立花隆・利根川進) [総合A; 面白さC, 読易さA, 知の感動C, 心の感動A]
    • 科学者としての心がズタズタになる本。「科学者を名乗り、科学で飯食っている奴はごまんといますが、科学から必要とされている人間なんて、本の一握りです」。激痛。でも、時々読んで、自らを省みるようにしたい。同じように、優れた研究者がどの様に世の中を見ているか、という本は、読んでみて為になる視点が多い。ということで、同ジャンルの本として列挙する。自分の専門に近いところから読み始めて見ても良いかもしれない。[読書録]
    • 私のロマンと科学 (物質科学・西澤潤一) [総合C]:発見に対する考え方「大発見は、予想できないから大発見なのだ」[読書録]
    • 生きる事・学ぶ事 (数学者・広中平祐) [総合B]:研究の始まり「先代の偉人と比較して,どうしても書くことがバカバカしくなる。選挙の1票と同じ。でも、書かないと始まらない。出発は、皆幼稚なのだ」[読書録]

組織論・マネジメント

  • 岩田聡はこんな事を話してた  [総合A; 面白さB, 読易さA, 知の感動B, 心の感動B]
    • この本は良いです。任天堂の元社長、岩田さんの考え方・生き方をまとめた本。大企業の社長ではあるが、どちらかというと10人規模のグループを初めてマネジメントする時に読みたい本。プログラマーを愛していた岩田さんが、立場上「マネジメント」をすることになり、考え続けた人の思考の跡。岩田さんの思考は、「いかに人に喜んでもらうか」なので、それもあって人間観察を続けたのだと思う。これもまた、経験主義の結晶でもある。岩田さんと一緒に仕事してみたくなる本。[読書録]
  • 京セラフィロソフィ(稲盛和雄) [総合B; 面白さB, 読易さA, 知の感動C, 心の感動B] 行き詰まりの打開策
    • 俺、こんなに怠けててええんやろかってなる本。京セラを1から創業し、大会社に成長させた稲盛氏の考え・経験理念を書きまくった本。氏の考えや、リーダーシップ論、人生観を網羅的に描き切る。リーダーを志すものであれば、学ぶ点多し。多少、昭和的な価値観はあるものの、自分を燃え上がらせることが出来るかもしれない。何か成し遂げようと思うならば、まず自分が、信じて没頭せねばならない。[読書録]

政治・経済・現代社会・歴史

  • 中東現代史(藤村信) [総合A; 面白さA, 読易さA, 知の感動B, 心の感動B]
    • 中東の歴史を知るなら、この一冊!中東の近代史(1920年代以降)の記述です。その歴史を読み解くには、1.イスラム教徒,ユダヤ教,キリスト教 2.異なる王族(ハシム家,サウド家) 3.共産主義と資本主義 4.特権階級者と市民 5.民族  これらの対立構造が、入れ替わり立ち替わり、歴史に浮き出てくる。めちゃくちゃ面白い。[読書録]

エッセー


ノンフィクション

  • 八甲田山・死の彷徨 (新田次郎) [総合B; 面白さA, 読易さA, 知の感動C, 心の感動C] 絶対に面白い
    • ノンフィクションって、めちゃおもろいやん!ってなる一冊。日露戦争前に、その準備として雪中行軍をしようとした日本陸軍が、未曽有の暴風雪に巻き込まれて遭難した史実に基づく話。読みだしたら止まらない。
  • 永遠のゼロ (百田尚樹) [総合B; 面白さA, 読易さA, 知の感動C, 心の感動A] 絶対に面白い
    • ノンフィクション、ではないが、それに近い。一人の特攻隊員の生きざまをvividに描く。泣きます。
  • 聖の青春 (大崎善生) [総合C; 面白さB, 読易さA, 知の感動C, 心の感動B] 
    • 思い腎臓病を抱え、29歳にして亡くなった棋士・村山聖の生涯を描く。残された命の灯を知る人間は、ここまで真剣に生きるのかと、胸を打たれる。体調を案じ、奨励会入りを止めようとする親族への聖の叫び「行かせてくれ!谷川名人を倒すには、今、今いくしかないんじゃ」。13歳である。また、最後に紹介される、聖の詩が、心に刺さる。「人間は悲しみ、苦しむために生まれた。それが人間の宿命であり幸せだ。僕は、死んでも、もう一度人間に生まれたい」。将棋好きには、他に或る奨励会員の悲運を描く「将棋の子」も泣ける。輝けるプロ棋士の裏に、数多の挫折がある。

芸術・絵画


小説


歴史・歴史小説


マンガ

  • 火の鳥 (手塚治虫) [総合S; 面白さA, 読易さA, 知の感動B, 心の感動B]
    • もう手塚治虫、マジで天才!ってなるマンガ。とにかく面白いし、深い。50年も前に、AIを題材に「人間とは何か」「心とは何か」を問うてるし、その見識の深さにも感服する。絵の好き嫌いはあるのかもしれない。でも、それを踏まえてもストーリーが傑作。