20180515 [読書] 暇と退屈の倫理学

投稿者:

暇と退屈の倫理学 (国分巧一郎)


退屈の三形態
・何かに依って退屈させられる
・何かに際して退屈する
・なんとなく退屈する

1.人は普段,退屈の第二形態を生きる
・本来の能力を持て余す
・高い観世界移動能力
2.しかし,何かのタイミングで第一形態=第三形態に陥る
3.第二形態に逃げ込む

大事な点
・狂信者・過激派をうらやむ気持ち
・欲望の原因と対象(兎狩り)
・現代は情報・観念を消費している(エンドレス)
・退屈により,何かに取り去らわれることを求めている(第二形態)
・暇がなくても,退屈するのだ(第二形態)


 


イントロ
・世に問うために,本を書く

序章: 幸福について
・ラッセル「幸福論」: 時代が進歩した後には,幸福はもうない
–好きなことが満たされない,自由を求めた時代
–労働者の労働時間が搾取されている

・現代は供給側が需要を操作する
–労働者の暇が搾取されている.何故ならば,人は暇を嫌うから

・暇と退屈に悩まされる現代の人間
–過激派や狂信者への羨み
–大義のために死にたいと思う気持ち

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第一章: 暇と退屈の原理

・兎狩りに行く人は,本当は何が欲しいのか?
–欲望の原因: 気晴らしを求めているに過ぎない
–欲望の対象: しかし,対象を欲しているのだと誤認している
–欲望の対象は,熱中できるものでなくてはならない

・パスカル
–欲望の原因と対象を取り違えるものは愚かである
–しかし,それを指摘する人間は,更に愚かである

・日常的な不幸
–衣食住には全く問題がない
–原因が分からない

・退屈とは?
–退屈する心が求めるのは,今日を昨日から区別する事件
–事件が起こるのを望み,それがくじかれたもの
–退屈の反対派,快楽ではなく興奮

・退屈は不幸への憧れを生む
–しかし,その様な幸福論(ラッセル)は間違っている,と信じたい

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第二・三章: 暇と退屈の系譜・歴史

退屈の遺伝子
・本来,人類は遊牧民
・定住により,能力の使い方を失う=退屈する

暇と退屈を区別する
・暇:客観的な状態
・退屈:主観的な状態
・暇がなくても,退屈できる

米国のフォーディズム
・労働者に適度な休息を与えることがベストである
・生産にとって,休息は生産の一部である.余暇を取り込む形で管理する.
–高い賃金を払い,賃金を合理的に消費させ,合理的な労働力を得る
・仕事が充実すべきだ,という考えは,仕事に没頭すべきだという強迫観念を生む

ポスト・フォーディズム
・モデルチェンジの高速化 –> 機械から人の使い捨てへ
・なぜ高速化する?モデルを見ていない.「モデルチェンジ」という情報を消費している

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第四章: 暇と退屈の疎外論

消費と浪費
・浪費は,ものを受け取ること(限界アリ)
・消費は,観念を受け取ること(限界ナシ!!!)

個性
・市場により煽られる個性は,永遠に満たされない

本来性なき疎外
・ルソーの自然状態からの疎外
–存在せず,多分将来も決して存在しない自然状態

疎外こそが,暇なき退屈を生み出している
・暇なき退屈は,消費を生み出し,消費の中に退屈を生む

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第五章: 暇と退屈の哲学

第一形態: 何かによって退屈させられること
・時間のぐずつき,引き留めによる空虚放置(外因的)
・ものがいうことを聞いてくれない

第二形態: 何かに際して退屈すること(本質)
・自分の中に空虚が成長する(内生的)
・気晴らしと区別できない退屈

第三形態: なんとなく退屈だ
・私たちは,気晴らしがもはや許されないことを知っている
・この声を聴きたくないがために,何かに打ち込み,第一形態の退屈に出会う

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第六章: 暇と退屈の人間学

環世界
・それぞれの生物は,それぞれの環世界を生きる(=時間が異なる!!!=何時間でも待てる)
–すべての生物は,それぞれの時間を生きている
–主体なき時間はあり得ない
–人間以外の動物は,環世界によって取りさらわれている

・人間は強力な環世界移動能力を持つ
–一つの環世界に留まっていられない=退屈する
–<取りさらわれ>続けることができない

<捉われ>と<とりさらわれ>
・捉われ: 衝動の停止と解除だけでしか行動できない

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第七章: 暇と退屈の倫理学

人は普段,第二形態の安定の中に生きている
–> 何かのタイミングで,「なんとなく退屈だ」の声が大きくなる (第三形態)
–> 第一形態に逃げ込む
・これは,自分のうちから響いてくる声から逃れるために,奴隷になっている.

人は奴隷になることを夢見ている
・狂信者・過激派をうらやむ原因

・人は習慣を作る.そのことは必ず退屈を生む

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結論

1.消費ではなく浪費に帰る
2.環世界に浸るとは,動物的になることだ(思考を楽しむ)

取りさらわれる

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