知人に呼んでいただき、哲学者の会議に初参加。
せっかくなのでメモ起こし。OUTPUTを意識してINPUTするのが一番効率が良いのだ!(友人より)
感想
・あんまり人が多くない。小さいコミュニティなのだろう。
・思ったよりも・議論ではなく、、、プレゼン?しょうがないのだろうが、どうしても「私はこう考えます」的な話になる。どうやってコンセンサスをとるのか?
・ヴィトゲンシュタイン・ラッセルなど、偉大な先人のスポークスマン
・本当にすごい偉人は、ちょっとふわっとして解釈可能性を持たせている、とのこと。
・中村さん、木村さんの話がとても面白い。みんな、自分の研究にモヤモヤしながら研究進めてるんだなぁ。
特徴的な単語
・措定: ある事物・事象を存在するものとして立てたり、その内容を抽出して固定する思考作用
・分節: 全体をいくつかの区切りに分けること
この辺の感覚は、考古学における比定、みたいな感じに近い。分野特有の単語なのだろうが、カッコいい(けど、無駄に難しくしてる気もする)。
データ同化・セッション
- 中村さん:データ同化
- データによる隠れ量の推定
- 高次元系に使う
- 予測や発見(推定)に使われる
- システム同定との違い
- 同じところ: 最適化
- 違うところ: モデルの不確かさ < 状態の不確かさ
- UQとの違い
- 同じところ: 不確実性の定量化
- 違うところ:
- 機械学習
- 違うところ: 力学モデルの使用、発見より予測(機械)、高次元の学習は難しい
- 論点
- 演繹と帰納推論の組み合わせ。本質的には帰納?
- データを通じた現象理解とは?
- データ同化を中心に据えたメタ数理モデル融合による解決の提案
- 木村さん: 生物建築学
- 数理モデルが固まっていない状況下でのデータ同化
- 理論の発見自体が基礎生物学研究の大きな目的
- 予測ではなく、生物学では数多ある観察現象の説明が目的となる
- 認識科学: あるものの探究を目的。自然科学。
- 設計科学: 予測をよくすることを目的
- 手法としてのデータ同化を、認識科学の目的のために上手く使えないか?
- 数理モデルが固まっていない状況下でのデータ同化
- 午前中の議論: 知のユニバーサルデザインを考える論理体系
- 既存の知の枠組みではアクセスが困難と感じている人のその実感を受け止める
- e.g. 変数に対する困難さを取り除く
- 既存の知の枠組みではアクセスが困難と感じている人のその実感を受け止める
- 論理学って何をする学問ですか?
- 客観性であるということを考える
- もちべ:「客観的」という言葉に宿る暴力性
- もちべ:「客観的」ということを、感触のあるものへ作り変え、知識を平板なものにしてしまう暴力性を回避したい
- 1.「客観的」と比較対象としての「常識」 (ヴィトゲンシュタインのテクストより)
- マジョリティの支持する自明性:
- 常識 : 皆が共有している何事かがある(=読むべき空気がある), ボトムアップの自明性 (個々人の理解や受容を源泉に)
- 客観的: 少数の専門家が熟知している事実(=頼るべき権威がある), トップダウンの自明性(専門的な知識を源泉に)
- マジョリティの支持する自明性:
- 2.ヴィトゲンシュタインの「確実性について」と「客観性」
- 「客観的」という言葉に着目すると、私たちが営む「疑い」や「根拠」を示す言語ゲーム中で動かないものがあるのではないか?
- 3.モイヤル・シャロックによる客観性
- 客観的な確実性: その本性が基礎的である (事柄の総称)
- 客観的に確実な事柄。この世界を構成するもの・こと
- 4.「ザラザラした」客観性へ
- モイヤル・シャロックの「客観的な確実性」は「専門的知識を源泉としたトップダウン的自明性」に働いてしまっている
- 確実性における、専門知から素人へのグラデーション
- 専門知
- 専門知を受け入れる立場
- ラディカルな立場
- ナチュラルなラディカルさ
- ヴィトゲンシュタイン自身は、素人の立場(特に子供)に比重を置いている様に見える
- モイヤル・シャロックは「客観的な確実性」を扱う事ができる中立的な立場を目指している(=特権的な立場を措定)
- 5.「暴力的な客観性」を回避するためのアイデア
- 特権的な立場を措定しない, or
- 特権的な立場を前提として、その働きを見えやすくする
- 専門家vs.素人 ==> 私と他者
- 自己エスノグラフィ
- エスノグラフィ: 調査を記述する自己、という位置
- 記述を通して対象の体験を体験車がどの様に体験したのかを認識(意味づけの明示化)
- 調査者自身が自分の体験を表現し、文化的・社会的文脈の記述を試みる。
- 文化人類学、教育学、経営学、心理学、社会学
- 当事者による自己エスノグラフィのあり方
- 文化を描く: もともと未開の人たちの文化を記述するために生まれた
- 探究的記述: 感情を契機にしながら距離を取れない・取りたくない対象を、その背景や文脈ごと他者に示す
- –> 言い淀みや、比喩的、文学的表現に表出
- –> 感情を契機にする、とは、自分の立場(e.g., ジェンダー、コック席、社会的地位、障害)を語ることである
- 分析の成果であると同時に分析していく過程である
- –> 個人的な物語を語る中で文化を探求しようとする
- 自己エスノグラフィの利点
- 客観データの統計手法では気jy痛出来ない体験を説明可能
- 書き手側の観点も含んだ提示できる資料の精緻化
- 自己エスノグラフィの欠点
- 個人の物語を収集する方法が記憶にあり、客観的真実を捉えているのか?他者を欠く。
- 客観的真実 /= 物語的真実
- 個人の物語を収集する方法が記憶にあり、客観的真実を捉えているのか?他者を欠く。
- 本研究の動機(自分自身のDVを例に)
- 他者の認識と自分の「認識の食い違い」
- 記憶の存在の確認と、現在も続く脅威の緩和
- 物語の再編成
- エスポージャー法(トラウマ療法)
- トラウマの引き起こす状態の一つ: フラッシュバック
- 原因: 過去に体験した感情が意味不明
- 緩和: 体験や感情の意味付け
- 方法:受容的・感受的他者が必要
- 自己エスノグラフィの有効性
- DVの場合の持つ困難
- 他者迎合的にさせる
- フラッシュバックを誘発しうる
- DVの場合の持つ困難