京都大学の科学哲学の専門家・伊勢田哲治さんに職場に講演に来て頂きました.
自分が提案したということもあり,一冊本を読んで参加.なので,基本的なことは概ね理解可能(復習なので).
ただ,他のメンバーが特にそういう勉強をしたわけでもなく議論しており,びっくり.基礎的な論理力・思考力を問われている.
何かを疑問に思うことは多いが,そこに対して思考し,自分なりの見解を持つという力が弱いのかもしれない.改善の余地あり.
科学哲学については,概ね感覚がつかめてきたので,もう一息.
- そもそも哲学の最初の問い
- 我々は,世界について知ることが(producing knowledge)出来るのか?
- 経験主義:経験的に知ることが出来る
- 合理主義:合理的に構築することが出来る
- 素朴な科学のイメージ
- 経験科学 => 理論の構築 => シミュレーション
- 我々は,世界について知ることが(producing knowledge)出来るのか?
- 「科学」を定義するための営み
- カール・ポパーの反証主義
- 素朴な定義: 反証化可能であること
- 哲学的定義: 反証されるまで仮説が生き延びる
- しかし,反証主義は科学哲学者からは支持されなくなってくる
- 素朴な定義: なんでもOKになる
- 哲学的定義: 海王星の発見は科学ではなくなる(ニュートン力学だと説明できない,が出発点だから)
- その後,色々な方法が提案される
- logical approach
- social-historicalapproach
- 方法-認識論的アプローチ
- しかし,どのアプローチでも,「科学の定義(=必要十分条件)」を与えることは難しそうだと結論
- 「科学か疑似科学か」ではなく,「良い科学か悪い科学か」を考える
- クーンのパラダイム論
- ヴィトゲンシュタインの言語ゲームに近い感覚
- ある一定のコミュニティで,その考えが支持される状態
- しかし,これもダメ
- 創造論,代替医療
- 伊勢田先生の提案「科学は品質を保証するための物差し」
- 方法が最適であること
- 知識を生み出していること
- カール・ポパーの反証主義
- シミュレーションの科学哲学
- 3つのメインストリーム
- typology of science
- epstnology of science
- metaphysics of science
- Norton and Suppe (2001)
- 異なる気候モデルのシミュレーションであれ,結果が収束する
- 知識を生み出しているのでは?
- 異なる気候モデルのシミュレーションであれ,結果が収束する
- 3つのメインストリーム
- 疑問もろもろ
- 「非科学的な方法」を包含する営みも科学でありうる
- 数学は,ここでいう科学には含まれない
- 同じロジックで,機械学習もOKなのか?
- 科学:世界に関する経験的知識を生み出す
- 自然科学・経験科学
- 社会科学
- 形式科学:ここでは含まれないと考えている
- ちなみに,「科学哲学」は科学ではない
- 哲学の議論
- 基本的には,前提を仮定し,議論を論理的に導き,説得
- 往々にして起こるのが,前提が共有されない,合意されないための見解の不一致
- PREDICTIONとPROJECTION
- ただ一つの解に落ち着くか,という視点
- 科学の方法として,この辺はあまり議論されなかった(ポパー以前の話なのかな?)
- 検証可能性
- 再現可能性
- 「非科学的な方法」を包含する営みも科学でありうる