岡田尊司 マインド・コントロール
見たくて済むものなら,見たくない,マインドコントロール.
そのプロセスを包括的にまとめられている.
自分自身が知る,過去のマインドコントロールも,本書で指摘されているいくつかのパターンに十分に当てはまる.それだけ,本書が現時点の人類の理解を良くまとめているという事.
読む価値のある一作.
- 第一原理: 情報の入力制限・過剰
- 何も考えられない状況にして無意識に刷り込む
- 第二原理: 考える余力をなくす
- 脳を慢性疲労状態に置く(e.g. 睡眠不足)
- 主体性を奪われる
- 糖質を与えない,などの化学的アプローチも有効
- 脳を慢性疲労状態に置く(e.g. 睡眠不足)
- 第三原理: 確信を持って救済を約束する
- 上述の状態の下では,神秘体験として与えられる
- 第四原理: 人は愛されたく思い,憎まれたくない
- 連帯感・社会性の悪用
- 第五原理: 自己判断を許さない,依存状態に置き続ける
- マインドコントロールする側の特性
- 本質は肥大した自己愛と共感性の欠如
- 閉鎖的集団の優位性,思いやり・倫理観の欠如
- 支配は中毒になる
- 似ているもの: マキャベリズム・自己愛・サイコパス
- される側の特性
- 本質は依存性(自分で考えたくない,価値判断したくない)
- 自己愛の2つの形
- 自らが神のような存在でありたい(する側)
- 神を崇拝し,神に近づきたい(される側)
- テクニック集
- ダブルバインド
- このオプションは付けますか? (買う事を前提)
- ごはんの前に宿題する?後にする?
- 「する」と答えることで,それが無意識に刷り込まれる
- ダブルバインド
- パブロフの犬
- 第一の段階: 等価的段階(ベル–>よだれ)
- 第二の段階:
- 第三の段階:
- ロシアの強制収容所のプロセス
- 時間間隔を無くす
- 罪状を自白させる.そして答えは与えない
- 書いている内容はどうでもよくなり,正解したいだけになる
- 無意識化(理性の無いところ)で行われているのがポイント