2012.11.29 [読書] 高校生の感動した論語

高校生の感動した論語 (佐久 協)

歴史に証明されただけあって,やはり論語は良い.そういや,ノルウェイの森で永沢さんがそんなこと言ってましたね.

読んでて,どっかで聞いた「読者や学習は別に新しい知識を身に着ける活動じゃない」みたいなことを思い出した.全て知識みたいなのは,あらかじめあるもので,人間の脳はそこにたどり着けるポテンシャルを持っている.考えていたもモヤモヤしたような思考を体系だてる感じなんだろうか.

なんでこのフレーズを思い出したかというと,論語のフレーズを読んでいく中で,心にとどまるフレーズは,今の自分に当てはまるものばかりだからである.かといって,新しい回答を与えてくれるわけではない.その多くは,自分の思考であらかじめ解答だろうと分かっていたが,解っていなかった様な物だったりで.なんか難しいけど,頭では分かってても,行動にまで移せてなくて,結局それは分かっていないのかもしれない.

というわけで,26歳の僕が読んで,自らの行動を顧みたフレーズです.35歳,45歳で読むと,その時その時に打つ言葉は変わるでしょう.誰が言った云々は気にせずに書いていきます.

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学びて時にこれを習う,また説ばしからずや.
朋,遠方より来るあり,また楽しからずや.
人知らずしていきどおらず,また君子ならざるや.

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一隅を挙げて,三隅をもって反えらざれば,即ち復たせざるなり.

_結局,教育とは,人の自発性を高めることこそが肝要.

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広く衆を愛して仁に親しみ,行いて余力あれば,即ち以て文を学べ.

_人を思いやる余裕のないうちに勉強しても,身につかぬ.

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古の学者は己のためにし,今の学者は人の為にす.

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学んで思わざれば即ち昏し.思うて学ばざれば,即ちあやうし.

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苟もその身を正しくせば,政に従うに於いてか何か有らん.

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その悪を攻めて,人の悪を攻むる事なきは,...

_まずは我が身を常に顧みること.

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己の欲っせざる所,人に施すこと勿れ.

_仁の条件とは,恭・寛容・誠実・敏活・恵み

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人の己を知らざることを患えず,人を知らざることを憂う.

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賢を見て等しからんことを重い,不賢を見ては内に自ら省みる.

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君子は徳を懐い,小人は土を懐う.君子は刑を懐い,小人は恵を懐う.

_精神世界と物質世界.社会的影響と実益.
_こういう精神であれば,自らの貧しいことはあまり気にならないだろう.
_嫌な見方をすれば,無報酬・報酬バイトの心理実験にも似ているか.

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法律に従って父親を訴えた若者と,父をかばった若者.どちらが正しいか.

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君子は貞にして,諒ならず.

_意志強固であるが,頑迷牢固の石頭ではない.

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まことにして仁に志せば,悪まるること無し.

_思いやりを持って接していれば,それは伝わる.

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士にして居を懐うは,以て士と為すに足らず.

_社会的・金銭的成功者ほど,社会的使命を想うべきである.

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君子は蕩蕩たり,小人は長しえに戚戚たり.

_おだやか,大きい心を持ちましょう.

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君子に三畏あり.天命を畏れ,大人を畏れ,聖人の言を畏る.

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君子は和して同せず,小人は同して和せず.

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小人の過つや,必ずかざる.

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我れ日に我が身を三省す.人の為に謀りて忠ならざるか,朋友と交わりて信ならざるか,習わざるを伝えるか.

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鳥のまさに死なんとするや,その鳴くや哀し.
人のまさに死なんとするや,その言うや良し.

理系の学問を修めてきたためか,損得計算は非常にうまくなった.ただ,それに過度に依存して自分の意思決定を為すようになってきてる気がするので,僕は自分のそういう所が非常に気に入らない.泥臭くてもいいから,自分の認める生き方はしたいところ.


高校生が感動した「論語」 (祥伝社新書)

  • kotsuking
  • 関東の某国立大学、教授。他に、JST・さきがけ研究員、理研・客員研究員、気象予報士。京都大学大学院で博士(工学)を取得。
    スーパーコンピューターを駆使して天気予報の改善に取り組むデータ同化研究者。座右の書は「7つの習慣」。

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