ロバート・チャルディーニ 「影響力の武器」
人の意思決定が何に影響されるのか、それを著者なりに集約化させた本
1.返報性
2.一貫性
3.社会的証明
4.好意
5.権威
6.希少性
前提:
これらの影響は、多くの場合に無意識化で決定される。
なぜならば、人間をはじめとする動物は、無意識化で判断し、選択の機会を減らしたいからである。
現代は意思決定にかける時間が短くなる傾向にあり、影響力の武器はますます強くなってきている。
返報性
・人類、社会、経済の本質は返報性。
・まさに贈与論。将来の返報への義務感を生じさせる。
– 恩義を受け続けることは、不快である。
・拒否したら譲歩法。拒否の埋め合わせをしようとする。
一貫性
・最後に断るより、最初に断る方が簡単である(ダ・ヴィンチ)
・害のない譲歩、これが問題である(朝鮮戦争時の米軍捕虜。害の無い同意から始める)
・政治家が交渉で行う決めつけ(e.g. あなた達は誠実で協調性が高く尊敬している、というステートメント)
・今行っている、目的宣誓、達成サークル
・何かを得る事に苦労した人は、それを高く評価する(勉強・研究も一緒?)
・承諾を引き出すうえで大事になるのは、最初のコミットメント
社会的証明
・みんなが同じように考えているときは、誰も深く考えていない時である(ウォルター・リップマン)
好意
・相手が仲間だと理解させるためには、利益・損失が同じ営みを行わせる
・身体的・外見的魅力だけでも十分に好意を持ち得る
・類似性や単純接触効果も好意の源
権威
・権威は、1.知識を持ち、2.賞罰の権限をもつ
・権威はシンボルのみからでも十分に認識させられる(e.g. 警備員)
希少性
・何かを愛するには、それを失う可能性を実感すればよい
・少ないことがベスト、失うことはワースト。機会を失うことを最も恐れる。
余談:
・最も良い詐欺とは、騙してると思っている本人が騙しているパターン
実際に使えそうなテクニック:
・拒否したら譲歩法。
・一貫性。小さな譲歩から引き出す。