西洋絵画入門 by 山田五郎
「西洋絵画とは,古代ギリシャ・ローマ時代の美術を,ゲルマン民族がキリスト教化して作り上げた絵画」
これはとてもザクっとした説明なのだろうが,このザク義理を出来る時点で,既に相当の知識があることが分かる.
- ザクっとした西洋絵画史
- 古典絵画(ギリシャ): リアルで,濃くて,裸好き
- キリスト教時代: 禁欲的な価値観による抑圧.その抑圧により,逆に裸体への関心が高まる.
- ここまでは,対象を如何に「リアル」に描くか,という課題.
- 19世紀の産業革命
- 写真の登場により,逆にリアルな絵画からの解放を目指す
- 外界の模倣から,内面の表現への変遷.
- 古代ギリシャ・ローマ時代(~4c)
- リアルかつ理想的な肉体美を追求
- e.g. ミロのヴィーナス
- リアルかつ理想的な肉体美を追求
- ロマネスク (10~12c)
- つまり,ローマ.ローマ帝国の後を受けたゲルマン民族 (フランク王国)が継承.
- ゴシック (12~14c)
- ゲルマン民族のゴート族が継承.(ゴシック = ゴート族の)
- ゲルマン的な怪奇趣味.ゴテゴテした感じ.
- この時期,フランドル地方で油絵が出現.「リアルで濃い」絵画へ.
- ギリシャ哲学とキリスト教をスコラ学に融合し,かつゲルマン化してゴシック美術を創出.
- ゲルマン民族のゴート族が継承.(ゴシック = ゴート族の)
- ルネサンス (15~16c)
- キリスト教という抑圧からの解放.ダヴィンチ,ミケランジェロ,ラファエロ.
- ギリシャ美術を取り込み,「キリスト教的な裸体」を書くことが許される様になった
- キリスト教は,肉欲はあり,肉体の美を否定するものではない
- バロック (17c)
- 派手で,力強く,こってりで,華やか.ルーベンスやレンブラント.
- 絶対専制君主の時代.強い自己のアピールに対する,絵画からの解答か.
- ロココ (18c)
- おしゃれな恋愛美術.
- プレ・ロマン主義
- この頃から,「宗教的でない」裸体が描かれ始める.びっくり!
- 近代へ(19c以降)
- 新古典主義
- 一次的な古代人気.ポンペイ遺跡とかもこの時代に発掘.
- ロマン主義
- 新古典主義への反発
- ドラクロワの自由の女神など
- 写実主義
- ミレー,落ち穂拾い
- 印象主義
- 写真の登場
- モネ,とか
- 象徴主義
- 画家の内面を描き出そうとする流れ
- 新古典主義
- 現代 (20c)
- 何をどう書いても自由な時代
- フォービズム
- 色彩の解放 (肌を緑に塗る,など)
- キュビズム
- 形の解放 (ピカソ)