一度読み切っていたのだが、自分の勉強も含めて読み直し。
- 論点
- 近代哲学:世界の主人は人間だという思想
- 構造主義:それに対して反対
- 第一章:構造主義の登場
- サルトル
- 実存主義:人間は自由である
- 歴史法則主義:歴史は法則通りに発展する
- 歴史とは弁証法的に進歩する(王政–>共和制–>民主制)
- 私たちは誰もが、歴史という壮大な物語の登場人物
- レヴィ・ストロース
- 構造主義:自由な個人も、発展する歴史も存在しない
- 自分には見えない思考の枠組みが構造
- 母方交叉いとこ婚(手段):目的は女性の交換
- ミクロネシアの贈与論(手段):目的は航海技術のキープ
- 構造主義:自由な個人も、発展する歴史も存在しない
- 近代的なものの見方
- 自由な個人が集まって社会を形成。人間の力で社会は進歩。
- 構造主義的な見方
- 個人の考え・行動は社会に規定されている。目には見えない深い構造が存在する。
- サルトル
- 第二章:主体性の系譜
- 実存主義:自由である人間が、自分自身を作っていく
- マルクス主義:歴史法則主義。人類社会は進歩していく。
- サルトル:人間は「何かでない」ことを通じて「何かである」ようになる
- 机は、椅子ではない、などと思わない。
- 人は、「勇敢でない」と思うから、「勇敢である」様に変化する
- 実存が本質に先立つ!
- モノは、本質(機能)が実存に先立つ(誰かに作られるから)
- 人間は、実存(存在)がまず存在し、自分で本質を決める
- 生まれたばかりの赤ちゃんには、本質がない(何者でもない)
- 第三章:近代哲学の発展
- 現実の変遷:宗教改革–>産業革命–>近代化した西洋
- 思想の発展:ヘーゲル–>マルクス主義、カント、–>サルトル
- 啓蒙主義
- 中世:神が人間も自然も作った。
- 宗教改革:神が人間にこの世の亊を任せた(17cジョン・ロック)
- 啓蒙主義:人間がこの世を支配。神から独立
- カント哲学=批判哲学
- 理性批判:人間の理性的認識能力を検討
- 理性でわかる範囲の世界・現象と(理性の限界)、そうでない世界(e.g.神、死後の世界、天国と地獄)を区別
- 道徳的判断の要請:(みんなが理性的にも道徳的にも自立した社会を実現することが目的)
- 理性では、「生きる目的」までは分からない。神や天国がある事にしよう!
- 理性によってわかる事と、生きるための要請は異なる(ドイツ観念論で論じられる)
- ドイツ観念論(フィヒテ、シェリング、ヘーゲル)
- 理性と実践をどう橋渡しするのかが課題
- ヘーゲル:個人ではなく、人類全体の集合的な理性を考察
- 歴史とは、理性が自己を弁証法的に実現化していく過程
- カント:理性は世界を「見る」立場
- ヘーゲル:理性は現実を「作る」立場
- 歴史とは、理性が自己を弁証法的に実現化していく過程
- サルトル:両者を統合
- 個人を超えた弁証法的な理性(ヘーゲル)
- 自らあを吟味する人間理性(カント的)
- 第四章:近代哲学の彼方(マルクス、ニーチェ、フロイト)
- フォイエルバッハ:ヘーゲルの最終目的地は、人間が神になる事だ!
- 人間理性がだんだんと自らを実現させていく過程。神学の哲学化。
- マルクス
- 個人を超えた人間とは社会関係の亊。
- だとしたら、社会が変化していくにつれて人間性も変化していくはず
- ニーチェ:「神は死んだ」
- 神や思想のような虚しい概念に頼る時代は終わった、という意味。
- 人間が、自分自身で生きる意味を見つけていく時代
- フロイト:ひとりの人間を集団のように見る
- ダーウィン:生物は絶えず変化し続ける
- フォイエルバッハ:ヘーゲルの最終目的地は、人間が神になる事だ!
- 第五章:構造主義前史
- 数学の思想:構造とは関係性の亊
- ソシュール言語学(歴史的な言語調査による共時言語学の誕生)
- パロール:現実に話されている言葉
- ラング:共有されている言語のルール
- フランス社会学の思想
- カッコいい言葉
- 「何かが分かる」とは、「何かを分ける」こと
- 実存が本質に先立つ!