2019.11.09 [読書] あなたの知らない脳 -意識は傍観者である-

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意識についての考察。出てくる多くの話は、見聞きしたことのある話。
という事は結局、この辺りの思索に関するREVIEWは概ねできているという事だろう。

大事な点を3つ。「意識は傍観者」という考え方が、個人的には面白い。

  • 意識は「サブモジュールの塊」ではなく、「自分が正しいと信じるサブエージェントの民主主義」
  • しかしそれゆえ、人は葛藤を生む。
  • 意識の役割とは、その葛藤に対処すること

  • 意識とは新聞のようなもの
    • 自分自身でアクセスできる情報の舞台裏はとても少ない
    • しかし、見だしを読んで、さも「自分が思いついた」様にふるまう。それが意識。
  • 意識の表れ
    •  虫の知らせ (=運がいい人)
  • 意識に関する探索
    • ×サブ・エージェントの集まりではないか?
    • 〇心の民主制。自分こそが正しいと考えるエージェントの競争。
      • 同じ問題に異なる意見を持っている
      • しかし、それゆえに葛藤を生む
  • 責任の問題
    ・ゾンビシステム(自動運転モード)のしたことに、罪と責任を問えるのか?
    ・阿学が進歩したから出てくる、新しい哲学的課題
    ・処罰を放棄するのではなく、修正の方法を考えること。罪を問えないのではなく、修正可能と考えること
  • 意識の目的
    • ゾンビシステム=自動化モード (e.g., 無意識化の運転)
      • エネルギーの最小化
      • しかし柔軟性がない
    • 意識とは、対立ずるゾンビシステムを上手く取り扱う事
  • 秘密について
    • 脳にとって不健全(エネルギー消費)
    • 脳内に、「言おうとする意見」と「言わないでおこうとする意見」の両方がある時、秘密になる
      • 言わないでおこうとする意見だけであれば、それは秘密ではない
    • 自分自身があまり秘密を守れないのは、この対立状況(エネルギー消費)が嫌だからか?


あなたの知らない脳──意識は傍観者である (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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