2019.02.09 [読書] ルサンチマンの哲学

投稿者:

永井均 ルサンチマンの哲学

ルサンチマンに対する理解はだいぶ深まった.狐の例で十分である.
翻って,自分の価値判断・自分の基準がルサンチマンに捉われていやしないか,そこに意識を持っていく必要がある.


  • ルサンチマンって何?
    • 道徳上の奴隷一揆
      • 現実の行為によって反撃不可能なため,想像上の復習により埋め合わせする
    • 狐と葡萄の寓話
      • 葡萄を恨む
      • あれは酸っぱい葡萄だったのだ
      • 甘い葡萄を食べるのは健康によくない!(ここでルサンチマン)
        • 自己を正当化するために,価値観を転倒化!
  • キリスト教もルサンチマンの結実
    • (1) 本来,利他的行為は,利益を受けた側から「価値あること」と称賛されていた
    • (2) それが忘れられ,「利他的行為それ自身」が良いとされるようになってしまった
    • 弱さを武器にして戦わざるを得ない立場からの世界解釈
  • 現在
    • 道徳や倫理が内面的な心の問題である,そんな時代に生きている
      • 善意に基づくある行為が悪い結果をもたらしても,我々は道徳的に責めることはない
        • 悪人礼賛・善意の善
    • 逆に,「偽善」が悪の代表の様になってしまった
      • その行為の帰結が「善」であるにも関わらず
    • 善悪の判断ができないものは,悪人にはなれない.狂人となる
      • 狂気により弾かれたのではなく,はじき出されたから狂気なのである
      • 「善悪」という枠組みでとらえることが出来ない
  • 神の死(理解不十分)
    • 神聖な道徳=弱者の自己正当化は,神によって根拠を得ていた
    • しかし,この虚構は既に暴かれている ==> 神の死?

 


思う事

  • 天才・準天才の構図
    • やっぱりパロディ
  • ニヒリズムの研究者は,ニヒリズムになるのか?


ルサンチマンの哲学 (シリーズ 道徳の系譜)

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