永井均 ルサンチマンの哲学
ルサンチマンに対する理解はだいぶ深まった.狐の例で十分である.
翻って,自分の価値判断・自分の基準がルサンチマンに捉われていやしないか,そこに意識を持っていく必要がある.
- ルサンチマンって何?
- 道徳上の奴隷一揆
- 現実の行為によって反撃不可能なため,想像上の復習により埋め合わせする
- 狐と葡萄の寓話
- 葡萄を恨む
- あれは酸っぱい葡萄だったのだ
- 甘い葡萄を食べるのは健康によくない!(ここでルサンチマン)
- 自己を正当化するために,価値観を転倒化!
- 道徳上の奴隷一揆
- キリスト教もルサンチマンの結実
- (1) 本来,利他的行為は,利益を受けた側から「価値あること」と称賛されていた
- (2) それが忘れられ,「利他的行為それ自身」が良いとされるようになってしまった
- 弱さを武器にして戦わざるを得ない立場からの世界解釈
- 現在
- 道徳や倫理が内面的な心の問題である,そんな時代に生きている
- 善意に基づくある行為が悪い結果をもたらしても,我々は道徳的に責めることはない
- 悪人礼賛・善意の善
- 善意に基づくある行為が悪い結果をもたらしても,我々は道徳的に責めることはない
- 逆に,「偽善」が悪の代表の様になってしまった
- その行為の帰結が「善」であるにも関わらず
- 善悪の判断ができないものは,悪人にはなれない.狂人となる
- 狂気により弾かれたのではなく,はじき出されたから狂気なのである
- 「善悪」という枠組みでとらえることが出来ない
- 道徳や倫理が内面的な心の問題である,そんな時代に生きている
- 神の死(理解不十分)
- 神聖な道徳=弱者の自己正当化は,神によって根拠を得ていた
- しかし,この虚構は既に暴かれている ==> 神の死?
思う事
- 天才・準天才の構図
- やっぱりパロディ
- ニヒリズムの研究者は,ニヒリズムになるのか?