大気を変える錬金術 by トーマス・ヘイガー
ハーバー・ボッシュ法 は,高校化学で習う,有名な化学反応.
水素+窒素 → アンモニア
窒素は、農業を行う上で必要不可欠な物質であり、単純に農業を行うと減り続ける一方である(マメ科を除く)。
空気の中に80%もある窒素だが、一般に植物はこれを利用できない。
人類はこれを、堆肥などを利用しながら何とかしのいできたのだが、当然限界がある。
それを可能にしたのが上記の方法であり、これにより、大量の食糧生産が可能になったのである。
ちなみに、この方法がなかった場合の地球の食糧生産可能量は、40億人分が限界だそう。
僕たちの3人に2人は生きることが不可能である。
(耳学問)
江戸時代の日本の人口はおよそ3000万人.これがカロリー的な生産の限界.
科学技術の発展は、人類の発展に多くの貢献をしてきた。 ただ、その技術は、同時に人類に刃をも向ける両刃の剣であるのはよく言われること。
ハーバー・ボッシュ法にしても、その確立がゆえに空気から大量の爆薬を作る術を人類は手に入れた(オストワルト法)。
空気を変える錬金術。
人類を幸福にするはずの、その技術を確立させたのは、第一次世界大戦である。
高校の時の化学の授業なんかでこういう話を聞いていたら,もっと興味を持てたかもしれない.
逆に言うと,好奇心をトリガーする教育者を目指さねばならない.
タイトルがかっこいい本っていいですね.
partially written in 2018.03.29