1書籍と,1先生の授業ファイルに感銘を受けたので.
福田和也:「なぜ日本人は,かくも幼稚になったのか.」
加納学:「大学新入生へ:受講生に宛てた本気モードでのメッセージ」
テーマは社会貢献の必要性.楽して儲けるは是か?
根本的な,現在の世の中への危機感.
多くの人が「楽して儲ける」ことを是として考えてるのではないか.
なぜ,人は社会貢献を考えねばならないのか.
最近色んな時に「論理,論理」という言葉をよく聞く.
僕自身も論文を書くときには,人に伝わる論理を注意して書いているつもりであります.
しかし,論理によって,社会貢献の必無を証明するのは難しいのでは無いでしょうか?
ちなみに,現在の経済学の基本は,人間の行動選択がこの論理により記述されているようです.
曰く,「全ての人は,自分の利益を最大化する様な選択を合理的に判断する.」
如何にも,アメリカ的というか,資本主義的な考え方であると感じる.
※注 最近は,行動経済学という人間感情をも考えてた経済モデルが提案されつつあるようです.
ノーベル経済学を受賞した,ナッシュ博士などは有名ですね.
実はここに,人が社会貢献せねばならないという一つの論理があります.
書くと長くなるので,次の日記に「羊飼いの幸福論」というタイトルでアップします.
簡単に言うと,人々のすべてが「楽して儲ける」主義を断行した場合には,その社会は滅びるでしょう,という理屈です.
さて,それに気がついた場合には,能力のある人間は社会を良くする義務があると僕は考えています.
イギリスの「ノブレス・オブリージュ」という標語が僕は好きで,日本語には「位高ければ徳高きを要す」と訳されています.
権利を多く得ている貴族は,戦争や国家の危機に際しては,真っ先に自ら先頭に立つべきだという義務感を表した標語です.
こういった考えを,多くの人が持たねば,この社会は滅ぶでしょう.
しかしながら,現実はそうではないようである.
京大の学生と話しても,そういった話に興味を持つ人は少数派です.
京大生ほどの能力を持っていれば,楽して儲けるのは多分簡単です.
しかし,そういったしわ寄せは,他者に何らかの形で及ぶでしょう.
だからこそ,能力のある人ほど,自己中心的な考えに染まってはいけないのではないでしょうか.
社会に貢献できるという確信を持てる仕事をすべきではないでしょうか.
最近はやりのモバゲーなども,経営者は非常に頭がいい人であろうけれども,会社哲学には全く賛同できない.
電車の中で,たくさんの人が携帯ゲームをするのがよい社会でしょうか.
社会に貢献できていると,確信を持っているのでしょうか.
ちなみに僕が研究職を選んだ理由は「研究と教育」です.
どちらの活動も,間違いなく社会に貢献できると確信しています.
今日,加納先生のブログを見て,カッコいい教育者だと思いました.
又一人,目標となる人ができて良かった(面識はありません).
加納先生はブログ・授業・講演を通じて自らの考えを発信していますが,いったいいつから今のスタイルを確立したのか聞いてみたい.
物事は考えているだけではなくて,伝えるという事実も非常に重要であると感じました.
ネットというのは,非常に有効なツールなので,伝え方を考え始めます.
10年,20年後に教育者として,為すべきことを為すために