麻生太郎: とてつもない日本
石原新太郎: 新堕落論
正直に言うと,あまりいい本だとは思わなかった.
本の全体を通して,「日本はこんなに良い所がある.まだまだこれからも世界の一流国としてやっていけるのだ」という主張を繰り返していたような感を受ける.日本の21世紀が,明るくて万事問題なしとの考えは,僕の見解とは異なります.
ちなみに,僕は麻生さん本人は好きです.
彼の,マクロ経済的視点には納得できるし,まずは景気を良くするための財政出動とかも必要だと考えています.ただ,本に対してはあまりよく思わなかったということ.
僕は勿論この国が好きだし,発展させていきたいとは思っています.
そこには,プライド的であったり,危機感的な動機があったりするのですが.
反対に,石原さんの本は,大まかに言って「このままじゃ日本はやばいぜよ」という感じの本でした.
適度な危機感(絶望を感じない程度に)を感じる本で,まぁ良い本なんじゃないかと思った.
報道によると石原新党を結成するとかで,個人的にはぜひ頑張ってもらいたいと思っています.
何をこの2冊から感じたかというと,プライドとしてこの国を誇るのはとても良いことだけど,それを奢るようではこの先は無いんじゃないかな,ということ.ナショナリストとペイトリオットの違い、的な。
基本的に資源の無い国なので,胡坐をかかずに「頭脳」で付加価値を得て浮く.これが基本的な日本のグランドデザインなんだと思っています.逆境には強い民族だと,なんとなく信じてはいるのだが.