2019.07.07 [読書] 研究の環境とマネージメント

畚野信義「研究の環境とマネージメント」
一昔前の作者によるものであるが,創造的な研究を進めるために必要なことが上手くまとめられている.
結局は,管理マインドセットにならず,人の創造性を信じるということに尽きるのだろう.


  • そもそも
    • Administration: モノを扱う
    • Manegement: ヒトを扱う
    • administrationだけをやってマネージメントと勘違いしない事
  • 基礎研究
    • 日本が基礎研究に力を入れていない事を,諸外国から批判される時代があった
      • 曰く,科学技術のうまみだけを吸っていると
  • 欧米との違い
    • 研究支援スタッフの厚み
  •  注意すること
    • 「本邦初公演!」は研究じゃないよ!
    • 「好奇心」.本来,研究に最も大事なことは粘り強い姿勢.
      • 二番煎じの好奇心は,サイエンスではないのだ.
  • 研究者のマネージャーに求められること
    • 研究者をいかに「騙して」その気にさせるか.(エンジニア・マインドセットにも似ている)
    • 週に一回MTGは基本中の基本.その上で,プレゼンにまで指導する
    • 研究で優れている先生方は,優秀で教育されたスタッフを送り出す
    • プロジェクトでも人材の発掘でも,幹部は自分で提案せず,下から湧きやすい環境を作ること


研究の環境とマネージメント―わが国の科学・技術立国は成るか

  • kotsuking
  • 関東の某国立大学、教授。他に、JST・さきがけ研究員、理研・客員研究員、気象予報士。京都大学大学院で博士(工学)を取得。
    スーパーコンピューターを駆使して天気予報の改善に取り組むデータ同化研究者。座右の書は「7つの習慣」。

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