2018.09.30 [読書] 脳はなぜ「心」を作ったのか

前野 隆司 「脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 」

何故,意識や心が生まれるのか,という疑問に対してコンピュータ科学者が仮説を立てているわけだが,素直に納得できるものでした.曰く,感情や意思は,脳内のシナプス・ネットワークで勝手に作られるもの.意識は感情や意思を作っているのではなく,「受動的に見ている」.意識が生まれたのは,「ある重要な現象」を「個人的な現象」として記憶と固定化するため,「私」という概念が必要だったから.
結局,我々はただの反応機械であり,自由意志ってそもそもないんじゃないか?というのが結論.虚しいような,しかし,納得できる結論です.脳が反応機械であれば,多様なINPUTを自分で入れて(いろんな経験・新しい経験をして),脳がいろんなことを考えられるようにしてあげよう,と思いました.



脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)

  • kotsuking
  • 関東の某国立大学、教授。他に、JST・さきがけ研究員、理研・客員研究員、気象予報士。京都大学大学院で博士(工学)を取得。
    スーパーコンピューターを駆使して天気予報の改善に取り組むデータ同化研究者。座右の書は「7つの習慣」。

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