■リモートセンシングとはなんぞや

ここでは人工衛星から地球がどう見えているのかを紹介します.
まずは下の画像を見てみましょう(この時点でカッコいい!).


上の図は,2004年7月上旬の日本付近で衛星が観測した情報です. 何を観測したかというと,『太陽からの光を,地球がどれだけ反射したか』です.
光といっても波長は様々なため,左の図では,赤波長領域(以下RED), 左の図では近赤外領域(以下NIR:Near InfraRed)の反射度を図示しています.

色がずいぶん違います.右にあるバーの値を見ると,左の赤波長領域では反射度が低く,右の近赤外領域の光は良く反射されている事が分かります.
では,何故こんなに違うのでしょうか.

理由は植物の光合成です.
植物は,赤波長の光を良く吸収して光合成に利用しますが,近赤外領域の波長は吸収できずに反射してしまうのです.
7月の日本は,植物も成長している状態のため,赤波長の光は吸収されてるんですね.

こういった植物の活性度を測るために,NDVIという指標が良く用いられます.

NDVI = (NIR-RED) / (NIR+RED)

植物が茂っている   → REDが低くなる → NDVIが1に近づく
植物が茂っていない → REDが高くなる → NDVIが低くなる

実際に見てみましょう.左が1月上旬,右が7月上旬のものとなります.


なんという事でしょう.こんなに違うんですね.
この様に,NDVIという指標を使う事で,光合成活動が活発に行われているか,という判定が可能です.

空間的にみると,どこが植物で覆われているかが分かる.
同じ場所を時系列で追跡すると,いつ植生が活性化するのかが分かる.

僕は特に後者の特性を利用して,農地でいつ耕作が行われるのか,といった判定をしています.
例えば,日本に居ながらにして,ブラジルでいつ農業が行われているかが分かるわけです.アツい!

では最後に,NDVIの1年の中での変化を見てみましょう.
砂漠地帯,熱帯地帯などに注目すると,傾向が出ている事が分かります.
1年を36分割したものを,1月毎に表示しています.(t=1:1月,t=4:2月…)


こういう絵を描いてると,テンションが上がりますね.
ちなみに,冬季は北半球が途中で切れたりするんですが,理由が分からないままに半日を棒に振りました.

※使用データはSPOT VEGETATIONにより無料で提供されているものです.
※大気補正などをかけずに,生値をのせています.
※ここの絵では,雲の影響も考慮していません.


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