2019.07.27 [読書] 哲学の先生と人生の話をしよう

國分功一郎先生より。良書。
森博嗣のつぶやきシリーズに似たものを感じる。
意図的に、斜に構えるモードを使っているような印象もあるが、それが職業柄なのかはよく分からない。ただ、その分析が的を得ているように感じるのは事実である。


  • 決断: 岐路に立ち、或る選択肢を選び取ること
    • 何をすべきかは分かるが、決断できないことが、往々にしてある。
    • これは本当だろうか?決断は、往々にして受動的にそうなってしまう(フィンガレット)
  • 認識・感情
    • 「情動(生体反応)」と「感情(意識の気持ち)」を区別する(アントニオ・ダマシオ)
      • 悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなる(生体反応==>気持ちの例)
  •  恋愛
    • 恋愛で上手くいかない女性の多くは、「自分のことが嫌い」
      • 自分のことが嫌いだと、自分を愛してくれない人に関心を持ってしまう
    • モテるとは敷居が低いことを意味している
      • 誰しもが、心の穴を誰かに恋することによって埋めようとしている
    • 或る未練とは、本当に愛に基づいているのか?
      • 未練とは、「自分が対価を受け取っていない」という感覚に立脚している
  • 親子
    • そもそも、子は親に愛して欲しいと強く願う
    • 願いがかなえられない時、「これが愛なのだ」と思い込もうとする
    • そうなると自分の感覚「痛みや辛さ」を信じられなくなり
    • 自分の感覚に基づいて判断を下す機能が低下する
  •  世間に蔓延る罠
    • 相手の良心の呵責を搾取する人間
      • 私は大事に愛しているのに、それをお前は理解せず裏切るのか
  • 言い訳のパターン
    • 「無理だ」「仕方ない」「だって」
    • 「できる奴とできない奴」がいるのではなく「やりたい奴とやりたくない奴」がいるだけ
  • 一般性・抽象性の罠
    • どんな悩みも一般的・抽象的である限りは解決しない
    • AともいえるがBともいえる、という対立に陥る
  • プラス思考
    • 様々なことを考えずに済ますことによって可能になる
    • つまり、悪い方向から目をそらす必要がある、かなり無理をして
    • 無理をしていることがつらいので、頑張らない人間にいら立ちを覚える
  •  その他の言葉
    • つらい事って、人に話すと楽になる
    • 人は、過去を振り返って思い出す記憶のままに、かつて生きていたわけではない(ドゥルーズ)
    • 「幸福」の他人委譲
    • 相談に見せかけて自慢してんじゃねーよ
    • 年下との良好な関係は、斜め上に立つこと(真上でも真横でもなく)
    • 運が良い人、とは、心身で行っている計算量が多い人
    • 「プライドが高い」は「自信がある」の正反対


哲学の先生と人生の話をしよう

  • kotsuking
  • 関東の某国立大学、教授。他に、JST・さきがけ研究員、理研・客員研究員、気象予報士。京都大学大学院で博士(工学)を取得。
    スーパーコンピューターを駆使して天気予報の改善に取り組むデータ同化研究者。座右の書は「7つの習慣」。

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