2018.03.22 [読書] 入門!論理学

野矢茂樹 入門!論理学

・常識からの推測,論理からの推論

・論理学的な否定(定義)
或る状況でAでないと主張できるのは,その状況でAと主張すると誤りになるとき

・「好き・嫌い」「おいしい・まずい」等の対概念に対する否定はややこしい.一方,対概念の無い「赤い」の否定は簡単
普段我々の使う否定(e.g. 好きではない)は,論理学的な意味合い以上の踏み込みを行っている
これは,排中律が必ずしも成り立たない論理体系 (e.g. 太郎は勇気が無い訳ではない ==> 太郎は勇気がある).他の例として,「最近楽しくない」は,「楽しい」がないのか,「楽しくない」があるのか.

排中律を認める  =  実在論的 = 神の視点を認める  (太郎は勇気があるか無いかどちらか)

排中律を認めない = 否実在論的 = 神の視点を認めない (勇気を試す機会がなければ,太郎はどちらともいえない)

この辺りの「立ち位置の表明」は,可能無限・実無限の立場にも似ている

・矛盾は,世界には存在しない.世界を捉える認識にある.

・ド・モルガンの法則を導ける (否定,連言,選言の導入則・除去則を駆使すれば)

・対偶は必ず真

・形式論的(論理的)アプローチ,意味論的アプローチ

・真理関数,という考え方 (直列・並列を駆使したブール関数のイメージに近い)

・ゲーテルの不完全性定理 : 自然数論
・ゲーテルの完全性定理 : 論理論 (健全(過剰ではなく)で,完全(過不足なく))

いつか,自分の論文で「対偶」を使った議論をしてみたいと思います.



入門!論理学 (中公新書)

  • kotsuking
  • 関東の某国立大学、教授。他に、JST・さきがけ研究員、理研・客員研究員、気象予報士。京都大学大学院で博士(工学)を取得。
    スーパーコンピューターを駆使して天気予報の改善に取り組むデータ同化研究者。座右の書は「7つの習慣」。

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