■学術振興会 特別研究員申請(DC1不採用を経て)
Part.0 はじめにと結論
このページでは,大学院の学生が応募する,学術振興会の特別研究員申請についてメモを残したいと思います. 僕はDC2の申請(博士1年時)に採用していただきましたが,DC1の申請時は不採用でした. そんな僕ならではの事を書ければと思います. まず,インターネット上には面白い&役に立つ情報は多くあります. 参考までに,下記の様なページを僕は参照しました(面白いし!). 特に申請までの流れや面接情報を参考するときは大変参考になると思います. ○学振特別研究員日記 ○学振とるまで ○学振DC1を本気で狙うためにすべき4つのこと ながながと読むのがめんどくさい人もいると思うので,このページで僕の述べたい事を3項目で先にまとめます. (1) 可能性があるなら,業績が少なくても申請する (2) 申請までに,出来るだけ論文を書く (3) 採用・不採用に関わらず研究計画が大事.自分の分野の将来のビジョンが見えているか? では,本文をどうぞ.
Part.1 DC1,DC2の評価方法
5月ごろに申請書を送付するのですが,申請書は下の3項目から,複数の担当者から審査を受けます. 判断基準は以下であると書かれています. (1)学術の将来を担う優れた研究者となることが十分期待できること (2)研究計画が具体的であり、優れていること (3)研究業績が優れており、研究計画を遂行できる能力及び準備状況が示されているこ 具体的には下記の項目について採点されます. 1.研究業績 2.申請書類から推量される研究者としての能力,将来 3.研究計画 これらの項目について,5点満点の評価を受けます. どうして知っているかというと,DC1で不採用の時に自分の申請書の評価点を知ることができたためです. ちなみに採用時の評価点は分かりません.ちょっと知りたい... よく業績が大事と言われますが,一概にそうでもないようです. 参考サイトでは論文なしでもDC2を通った方の話もあります. ただ,論文を良く書く人は必然的に文章がまとまってくるので,2や3にも効いてくるでしょう. ところで,審査員の評価点は平均3.0,分散0.6になるように補正されるとのことです. なので,厳しい点をつける審査員にあたっても,高めにつける審査員にあたっても相対的に評価されます. その辺りはフェアですね.
Part.2 研究業績
申請者にとって気になるのは,採用者の研究業績であると思います. ただ,領域分野(例えば,工学-水理水工学とかかな?)毎に採用人数が決まっているらしいとも聞きました. 各分野での合格ラインは違うと思われます. おそらく,医学や化学の分野は,非常にハードな競争であると思います. DC2採用時は,査読論文×1,査読なし論文×1,国際会議発表×4,国内学会発表×4,受賞×1で申請しました. この業績が,どれくらいの評価点であったかは知り得ませんので,あしからず.
Part.3 申請書の書き方
おそらく,申請書自体の出来(文章力)や,指導教官からの評価書で決まると思います. DC1の申請はM2の時に行うのですが,多くの学生にとって,申請諸形式の書類を書くのは初めてではないでしょうか? 僕の場合は,複数の先輩から申請書を頂き,大変参考にさせて頂きました(自己評価とか書き方むずかしい...) まわりに先輩がいる場合は,是非連絡を取り手に入れるべきです.
Part.4 結論の心
僕はDC1で不採用でしたが,応募して良かったと思ってます. 第一に,申請書というものを書けた事.DC2申請時にDC1の申請所を見ると,びっくりするほどひどかった. 文章力は経験依存が大きいと思います. 今(D1後期)でも,3か月前に書いた文章を見るとひどいと感じます. 自分以外の人に伝わる文章を書くことの重要性,大事さを知ることができたのは非常に大きかったです. 第二に,研究のモチベーションが上がった事 DC1不採用後の1年間は,一番上の引き出しに不採用通知を入れて過ごしました. また,研究は自己満足ではだめで,職業にする以上は成果・形を残さねばならないとも理解しました. つまるところは,自分は論文を通して知に貢献するのだと. 最後に,自分の研究計画・将来の道を考える事ができた事 博士課程に進もうと思ったのは何故でしょうか? 自分の研究はクリエイティブ・本質的だと思いますか? 僕は,研究計画を考える中でもう一度考える事ができました. 信念と思いこみの違いは難しい. 僕は利根川進の「精神と物質」が非常に好きで,自らへの戒めとしています. ”研究者にとって大事なのは,何をやるかです.何を大事と考えるかです.” ”サイエンティストの大半は,どうでもいい事を研究している人たちですよ” ”サイエンスを飯の種にしていても,サイエンスからしたら必要ない人はたくさんいます” 僕は研究者となるからには,サイエンスに貢献したいです. おそらく学振審査官の先生方も,研究計画から本質的な研究の重要性を判断されると思います. 自分の研究の道を考え直す上で,学振申請は良い機会ではないでしょうか. 以上,最初と最後で気分がテンションが変ってしまいました.