Chinese Poems

■中国史で面白かった本

ベタですが,三国志とか春秋戦国時代辺りの歴史が好きです.
この辺の世界観が何となく分かってたので,センターの漢文はだいぶ楽でした.
作者が偏ってますので,なんか面白い本があったら教えて下さい.

《読んだ本たち》
三国志(吉川英治)
  父ちゃんに初めて本屋で買ってもらった本.めちゃおもろい.個人的には馬超が好きです.
重耳(宮城谷昌光)
  春秋五覇の筆頭に数えられる名君、晋の文公の物語。
夏姫春秋(宮城谷昌光)
  春秋時代、小国鄭に生まれた絶世の美女夏姫の史物語。
晏子(宮城谷昌光)
  司馬遷に「(晏嬰の)御者になりたい」とまで言わしめた,斉の名臣晏子父子の物語。
介子推(宮城谷昌光)
  棒術の名手介推.晋の文公重耳を陰から助け、やがて重耳が成功するとその下から姿を消す。
孟嘗君(宮城谷昌光)
  斉、魏、秦の宰相を歴任し,「鶏鳴狗盗」などの故事でも知られる孟嘗君・田文の物語。
太公望(宮城谷昌光)
  少年時代に商王紂王に親と仲間を殺され、復讐を胸に誓って生きる太公望の一生を描く。
子産(宮城谷昌光)
  孔子に”恵人なり”と評された春秋時代最高の宰相であり知識人であった子産の生涯。
管仲(宮城谷昌光)
  春秋きっての名宰相管仲。斉の桓公を覇者にまで押し上げる過程を、鮑叔との友情と共に描く。

■漢詩なんぞをちらほらと

   送元二使安西        王維

   渭城朝雨潤輕塵        渭城の朝雨 軽塵を潤し
   客舎青青柳色新        客舎青青柳色新たなり
   勧君更盡一杯酒        君に勧む更に盡くせ一杯の酒
   西出陽關無故人        西のかた陽關を出ずれば故人無からん

《現代語訳》
渭城の朝の雨が軽い砂埃を潤している. 旅館の前の柳の葉色も雨に洗われて瑞々しい. 君にすすめる。昨夜は大いに飲み明かしたが、ここでもう一杯飲んでくれ。 西域地方との境である陽関を出れば、もう友人は一人もいないだろうから。
訳参考URL:http://kanshi.roudokus.com/genji.html

《個人的感想》
高校の時の授業で最も好きだった.更に尽くせ,ってのは良いよね.友人を送る感情が伝わります.
これ結構感動したのに,資料集で”王維は飲んだくれ”みたいな記述があってショックでした.

   涼州詩        王翰

   葡萄美酒夜光杯        葡萄の美酒,夜光の杯
   欲飲琵琶馬上催        飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す
   醉臥沙場君莫笑        酔うて沙場に臥せども 君 笑ふなかれ
   古來征戰幾人回        古来の征戦 幾人か回(かえ)る

《現代語訳》
ぶどうのうまい酒,夜光のさかずき。 飲もうとすると琵琶の音が馬の上から聞こえてくる。 酔っ払って砂漠に寝転がっても君,笑わないでくれ。 昔から戦でいったい何人もどってきたというのだ。
訳参考URL:http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/etc/kansi/index.html

《個人的感想》
高校の時の授業で2番目に好きだった.戦地に赴く兵の悲壮さが伝わる.

   楓橋夜泊        張繼

   月落烏啼霜滿天        月落ち 烏 啼きて 霜 天に満ち
   江楓漁火對愁眠        江楓 漁火 愁眠に対す
   姑蘇城外寒山寺        姑蘇城外の寒山寺
   夜半鐘聲到客船        夜半の鐘声 客船に到る

《現代語訳》
月は沈みからすが鳴いて底冷えがいっそう厳しくなる。 川辺のかえでと漁り火が秋の眠れぬうつろな眼にちらちらと映る。 姑蘇城の向こうの寒山寺の鐘が,夜半に響いてこの旅人の船にまで聞こえてくる。
訳参考URL:http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/etc/kansi/index.html

《個人的感想》
最後の音の響き好き. 間違ってるかもしれんが,高校の時に習った時は”客船(かくせん)に至る”と詠んでた. なんか,寒空の下を響き渡る鐘の音が想像できる.冷えた空気.

   絶句        杜甫

   江碧鳥逾白        江 碧(みどり)にして 鳥 逾々(いよいよ)白く
   山青花欲然        山 青くして 花 然(も)えんと欲す
   今春看又過        今春 看々(みすみす)又た過ぐ
   何日是歸年        何(いず)れの日にか是れ帰年ならん

《現代語訳》
川は緑で鳥がいっそう白く,山は青くて花が今にも燃えそうだ。 今年の春もみるみる過ぎていったが,いつになったら帰ることができるのだろう。
訳参考URL:http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/etc/kansi/index.html

《個人的感想》
故郷に帰りたい杜甫の痛切な叫びが伝わりますね.やっぱりこれも,3・4節がいい重みを出してる. 日本語で読んでも凛々しいので,中国語で聞きたい.

    垓下歌        『史記』巻7項羽本紀 第7 司馬遷,『漢書』巻31陳勝項籍傳第1 班固

   力拔山兮氣蓋世        力は山を抜き、気は世を覆う
   時不利兮騅不逝        時利あらずして騅逝かず
   騅不逝兮可奈何        騅逝かざるを如何せん
   虞兮虞兮奈若何        虞や虞や汝を如何せん

《個人的感想》
言わずと知れた,如何せん.僕的には,”騅逝かざるを如何せん”の感じが好きです.